3歳児はな組の子どもたちは、友だちと一緒に楽しむ「お店屋さんごっこ」が大好きです。保育室ではアイスクリーム屋さんごっこを楽しみながら、「もっといろんなお店をしてみたい!」という声があがりました。そこで子どもたちに「どんなお店をしたい?」と尋ねると、「ラーメン屋さん」「お寿司屋さん」「ケーキ屋さん」「お弁当屋さん」など、次々とアイデアが飛び出しました。

それぞれのお店に必要なものを話し合うと、「看板がいる!」「お店の人はエプロンしてる!」と具体的な意見がたくさん出てきましたが、中にはなかなかイメージが浮かばず悩む子の姿もありました。そこで、みんなで実際に商店街へ出かけ、いろいろなお店を見てみることにしました。

商店街では、「旗が立ってる!」「お店の人、帽子をかぶってる!」など、子どもたちは目を輝かせながら新しい発見を重ねていました。園に戻ると、見てきたことを思い出しながら、「どんなケーキを作ろう」「看板は何色にしよう」と、それぞれが自分のイメージを言葉にしてデザインを考えました。思い描いた形をどうやって作ろうかと保育者と相談して素材を工夫して制作を進めていきました。また、制作では本物のお店屋さんみたいにパンをこねる作業やケーキに生クリームを絞る体験をして楽しみました。

そしてついに、子どもたちの思いが形になったたくさんのお店屋さんが完成! お店の看板や商品ひとつひとつに、子どもたちの発想や工夫、そして自分のイメージを表現する楽しさが詰まった、あたたかい作品となりました。

こうした取り組みは、ただの“ごっこ遊び”ではなく、子どもたちにとって大切な学びの時間です。実際に見て、イメージを広げ、思い描いたものを形にする経験は、子どもたちの自信となり、次の意欲にもつながっていきます。これからも、こうした一つ一つの経験を大切にしながら、子どもたちの育ちに寄り添う保育を続けていきたいと思います。
