ある日の礼拝の時間、5歳児の子どもたちと一緒に「平和」について考えるひとときをもちました。
「今日はね、“平和”のことをみんなと考えたいと思ってるんだ」とお話しすると、子どもたちは少し不思議そうな表情。
「“へ・い・わ”…って聞いたことある?」と聞いてみると、
「うーん、聞いたことあるけど…なにかはわからない」
そんな素直な返事が返ってきました。
「じゃあ、“たたかい”はわかるかな?」とたずねると、
「それは知ってる!けんかみたいなこと!」と、今度はしっかり答えてくれました。
「たたかいのない、安心できることを“平和”って言うんだよ」と伝えました

今、世界では“国と国との大きなたたかい”、つまり戦争が起きていることを伝えました。
「ロシアという国がね…」と話し始めると、
「ウクライナだ!ニュースで聞いたことあるよ!」と、思いがけず知っている子も。
「みんなは平和と戦争はどちらが好きかな?」とたずねると、
子どもたちはしばらく考えて、
「うん…たぶん平和!」と、うなずいていました。
「みんなは、おうちがあって、大好きな家族がいて、ご飯を食べて、お風呂に入って、あたたかいお布団で眠れるよね。
でも、世界のどこかでは、戦争のせいでそういったことができなくなっている人もいるんだよ。『こわいよ〜』『おうちに帰りたいよ〜』って、思っているかもしれないね」
子どもたちはじっと話に耳を傾けていました。

聖書には、こんな言葉があります。
「平和を実現する人々は、幸いである。彼らは神の子と呼ばれる。」
(マタイによる福音書 5章9節)
このことばを、みんなで声に出して読みました。
「神さまはね、たたかいじゃなくて、平和を選ぶことをよろこんでくださるんだよ。
だから、みんなもどんなときも、神さまが望まれる“平和”をえらべる人でいてほしいな」と伝えると、子どもたちはまっすぐな目でうなずいてくれました。
「私たちの力で戦争を止めることはむずかしいかもしれない。
だけど、お祈りのときに、世界でこまっている人のことを思い出して、
“困っている人たちに平和がおとずれますように”って、心をこめてお祈りしていこうね」
そう伝えると、子どもたちは静かに目を閉じ、神さまに向かって祈る姿が見られました。
子どもたちの心に、小さくても大切な“平和のたね”がまかれたことを信じて、これからも日々の中で丁寧に育てていけたらと思います。